高齢化に伴い、病院や介護施設で働く看護師の需要はますます高くなっていく事が予想されています。ただ、看護師はどの施設も慢性的な人手不足に悩まされており、解決策には至っていないのが現状です。看護師の人手不足には様々な理由が考えられますが、その一つが結婚と出産です。そもそも看護師は、女性が圧倒的に多い職業であり、結婚や出産を機に離職する人が多くいます。不規則な勤務形態と激務で家庭との両立が難しいと判断し離職してしますのです。
また、職場の人間関係に悩む人も少なくありません。女性が多い職場は、グループや派閥ができやすく、その中で孤立してしまうと仕事にも支障をきたす事になります。看護師は、お互いに情報を共有して仕事をしていく必要がありますが、自分だけ知らされていない、教えられていないといった状況が続くと、患者に迷惑をかける事になり信用も失ってしまうのです。
離職率の高い職場は、残された看護師にも負担が重くなります。一人ひとりの仕事量が多くなり、忙しさから医療事故を起こす事にも成りかねません。人手不足が原因で仕事が激務になり、辞めてしまう看護師も出てくる恐れもあり、悪循環を繰り返す事になってしまうのです。この状況を解決するためも、看護師が働きたいと感じる職場に変化するよう改革をしていく必要があります。例えば、子育てを理由に退職する看護師が多いなら、院内保育所を設置する事で状況が劇的に変わる可能性があります。また、仕事の量が多いと不満を漏らす者が多ければ、夜勤手当や残業手当を増やすなどして収入アップを実現させ、看護師のモチベーション向上させる必要があるのです。